角が丸くない

今アメリカに滞在している。2度目の長期滞在だ。

こっちに来て高頻度で指先を痛めている。一番厄介なのは乾燥機付き洗濯機である。

この家にある洗濯機はGE社のスタック型(縦に2段重なるような作り)洗濯乾燥機といい、二人暮らしの衣料なら洗いと乾燥で3時間くらいで完了する。日本で乾燥機を使ったことがないので、乾燥後のホカホカの衣類を触るたびに、なんて楽なんだと感動する。

ちなみに乾燥機側の取手は外れており、鉄の溶接をしないとくっ付きそうもない。

だからいつもスプーンを使ってドアをこじ開けている。

洗濯槽側の真ん中に謎の筒形の空きスペースがあり、まるでドーナツのようなその空洞を囲んで洗濯物を放りこんていく。私がいつも怪我をしそうしなるのは、この筒形のエッヂがなんのRも持っていないことだ。

プラスチックのエッヂは意外と肌を傷つける。洗濯物を放り込む時・洗濯物を乾燥機に移す時、必ずその筒のエッヂが指の背に触れる。ガリガリ…

多分ぜったい、日本製の洗濯機だったらこの筒の端は角Rになっているはずだ。もしくは、もっと滑らかに、グルンと折るようなデザインになっているはずだ。深澤直人を見習ってほしい。丸っこく滑らかな機械というものの存在に感謝だ。

先日、私の大好きなスーパーマーケット「TARGET」に行って、ツナの缶詰を買った。夫はツナ缶のプロテイン数値をひたすら気にしており、オイル漬なのか水煮なのか、このサイズの缶のくせにパウチよりもプロテイン数値が低いのはなぜだ などと考え込んでいた。

わたしはツナ缶の栄養素など考えたこともなかったので、なるべく安い、容量の大きいものを選んで欲しいと頼んで購入した。家にはキューピーのマヨネーズがある。ツナマヨのサンドイッチでも作ろうじゃないか。

さて、後日意気揚々とキッチンに立ち、ツナ缶を開けようとふと缶をみると、指をひっかける取手がないのである。なんか久しぶりに出会った気がする、お前。

しかし、この家には缶切りがあったはず。調理器具入れを覗くとそれらしいものがあったが、想像していた缶切りと違う形をしていた。挟むところと回すところが付いていてやたら大きいのである。

なぁにこれ…汗 写真を撮り、グーグル検索にかける。刃の部分を缶の縁に挟み、回すところを回してください……

缶の開け方がわからない、と夫にSOSを出すのも恥ずかしいので、10分くらいは格闘してみた。缶の縁に刃を当て、回す部分を右回りに、時々左回りに.. 。そうして缶の所々に申し訳程度の穴が空き、仕組みは一応分かった気がした。しかし、缶を完全に開けるまでには至らなかった。つまりその日、私はツナマヨを食べるのを諦めざるを得なかった。

缶切りの刃は剥き出しっちゃ剥き出しだし、缶も蓋を開けきるまでその端々の鋭さに油断できない。

この国の人は刃物の扱いに慣れているのかもしれない。ナイフをよく使うし、安全設計されたものを過剰に求めないのかもしれない。別に角が丸くなくても、取手がついてなくても、ただ気をつければいいし、道具を使いなさいってことなんだろうと思った。そしてそれを小さい時から学ぶんだろう。

とりあえず缶切りの使い方をちゃんと教わろうと思います。