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今年の夏が暑すぎたのでエコロジーを考えた。(後編)

  • textfiber
  • 2024年12月1日
  • 読了時間: 7分

更新日:2024年12月9日

前編からの続き。何をしたのか、って大したこと考えてないけどという話。


・服を全部パタゴニアにすることを考えた。Patagoniaである。

一番信頼できるブランドだと思った。NIKEやadidasよりも、はたまたユナイテッドアローズやビームスよりも。ユニクロやGAP、H&Mよりもだ。強いメッセージ性を感じる。メッセージ性というのには少し皮肉を込めている。過剰広告を疑っていない訳ではないが、それでも他のブランドよりも数字(根拠)を出している。

でも個人的には、値段と服のデザインがネックだ。おしゃれなワンピースは売っていない。ヒールの靴もフリルのスカートもラブリーなコートも売っていない。どこか完全にアウトドアishで山ishだ。

しかし高い服には一定の効果があると考えている。それは、捨てにくくなることとプチ資産になること、古着として循環しやすく結果としてゴミになる可能性とそのスピードが落ちるということだ。2万円のネルシャツを買えば、それなりに大事にするしメルカリやトレファクにだって売れる。買い手もいるから服飾サークルの中を循環していると言えるだろう。



・ファストファッションの実態を憂いた。

エリザベス・L・クレイン氏の『ファストファッション: クローゼットの中の憂鬱』と仲村和代、 藤田さつき氏の『大量廃棄社会』の本を思い出した。読んだのが昔なので詳細な中身は忘れてしまったが、それを経てこの夏思ったのは、安い服はポリエステルやアクリルが多く、ペラペラしていて、すぐヘタリ、縫製が雑で、別に大事にしたくないものが大半だということだ。ポリエステルの服を10年着ている人はいるか。10年はいる? なら20年はどうか。古着としても魅力が落ち、なんか型落ちした感じがして、ヨレており、いつまでもペラペラだ。多分。このペラペラの服を大量に作り廃棄することにより確実に地球の温度、東京、正確には川崎の温度は上がっている。バタフライエフェクトというけど、バタフライっていうよりなんかもっと大きい、この因果応報はイーグルくらいある。

ファストファッションはとにかく流行りを追う。ハイブランドのプレタポルテのデザインを真似して、っぽくしてとにかく素材の質と縫製を落としてものすごいスピードで売る。その新商品の棚から溢れたものはセール品となって、それでも売れなかったものは多分普通に廃棄されている。世界で排出されるCO2のうち約10%はファッション産業から出るものらしい。10分の1って思ったよりデカくないか。ちなみに水も大量に使ってる。石油産業の次に多いらしい。作るのにも廃棄するのにも思ったよりヤバい量の出しちゃいけないものと使っちゃまずいものを出している。

この国の流行りは国民服並みに一律で揃うことがある。学生のころの制服絶対主体性ゼロクソ校則に縛られすぎた弊害かと思う。皆と同じに意味があるのかと反骨したかった思いを潰しすぎた結果皆と同じじゃないと意味ないのではというところまで行った、行っていると思っている。一つ例をあげよう。今、この国の女性(ものすごく幅広く)、かなりの割合でロングのマーメイドスカートを履いている。私の記憶ではこの流行りは絶対10年前にはなかった。刻んでもいい、8年前、多分なかった。7年前、まだ多分なかった。5年前、多分こっから出てきた。マーメイドスカートは7年前は青年合唱団のメンバーかピアノの先生、マダム層しか履いてなかったはずだ。一応補足するが完全に偏見を含んでいる。

でも今ものすごい流行っててその多くがポリエステルで作られていてメルカリで大量に売られていてそして余っている。メルカリの同列商品が売れなくなったものは流行りの終焉を意味する。マーメイドスカートが爆発的に流行りクソ大量に作られたあと、一定の期間を経てクソ大量に破棄される未来が見える。その多くは、バクテリアが分解できないしリサイクルもされない。どうにかするにはアップサイクルなりリメイクなりして形を変えてもう一度売るしかない。ゴミにしないとは誰かが所有し続けるということだ。だがファストファッションの多くはヨレていて、ペラペラで、毛玉がつきやすく、もしくはすでに毛玉がついていて、すぐシワになるからアップサイクルに適さない。マーメイドのマーメイド部分をカットしたところで、マーメイド部分の布は雑巾にもならない。なぜなら多くがポリエステルだからだ。(同じポリエステルでもマイクロファイバーなどの素材はよく雑巾になっている。だがマイクロファイバーみたいなモケモケの布の服はフリース以外あんまりないだろ。)



・カフェのドリンクの罠。

カフェへ行ってドリンクを頼んで紙ストローだった時少しがっかりする。ストローが紙なのにカップがプラの時かなりがっかりする。意味ね〜〜。

スターバックスを始めとする有名企業がストローの使用廃止を決めたとニュースで話題になっているが、調査の結果、採取したマイクロプラスチック全体の0.1%しかなかったという結果。(大川印刷)

ちなみにスターバックスはアメリカの労働組合がパレスチナに連帯する旨をTwitterに投稿したところ、本社がその件にたいして提訴してたりして非常にイヤな感じだ。マイボトルや店内マグカップの提供でエコを押し出しても、ジェノサイドを黙認してるなら元も子もない。当たり前だが戦争とSDGsは対極のところにあり、エシカルもエコも一網打尽に燃やし尽くすものである。



・持続可能な製品をデザインしている人をリスペクトした。

私はデザイナーだ。デザイナーとは広義な言葉だが専攻はグラフィックだ。グラフィックデザイナーとして「持続可能なグラフィックデザイン」を作り出すのはかなり難しいと感じている。チラシやポスターや本は誰かが所有してくれればゴミではないが、いつか捨てられたとしても紙なのでいつかは土に還るだろう。(この紙が海に流れてヘドロの元になったりインクなどが土壌に悪影響なことは勿論あるだろう。)グラフィックデザイナーとしてできることは、製品自体を生み出すことではなく、より良い製品を作っている人の手助けをすることだと思う。より良い製品のパッケージや宣伝物をデザインしたり、あまりよくない製品を手にしないように注意喚起を促す、お知らせするものを紙なりWEBなりで伝えることもできるだろう。

つまり、ここで個人的にリスペクトの対象となるのはプロダクトのデザイナーだ。




最後に、健忘録としてもみなさまへのおすすめとしても以下のものをご紹介したい。


・牛を食うことについて考え始める。

映画『Cowspiracy: The Sustainability Secret』(Cowspiracy: サステイナビリティ(持続可能性)の秘密)

食肉となる牛や豚などを育てる畜産業は、毎年CO2換算で71億トンの温室効果ガスを排出しており、世界の温室効果ガス排出量の約14%を占めています。実は畜産業は、飛行機や自動車など全世界の乗り物と同等以上の量の温室効果ガスを排出しているのです。畜産業が排出する温室効果ガスの多くは、家畜の消化活動から生まれます。家畜がエサを消化するときに出るげっぷやおならに含まれるメタンガスには、CO2の20倍以上の温室効果があります。さらに家畜の排せつ物からも、メタンガスよりさらに温室効果が高い亜酸化窒素が生じます。(気候ネットワーク・ブログ

牛の口元にマスクのようなものをつけて、メタンガスを収拾してくれる装置はないのかなと考えたが育てる時点で大量のガスを出してるからやはり生産量を抑えるしかないのではと思う。週7で肉食ってるやつはそのうちの1日でも代替肉を食え。


・あらゆる持続可能な製品を作る、もしくは買う上で確認できる世界的な共同体組織や認証制度、ガイド、事例をあげてくれている手引書


より良い製品に巡り合うため、それを探すため、希望を保つため、いつか未来の夏はもっと快適に過ごせるかもという期待を、ここに載っている団体名や事例から導き出せるかもしれない。



 
 
 

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